「マッサージに行っても、すぐにまた肩がこる」
「慢性的な腰の重さが抜けない」
そんな悩みを抱える方は多いでしょう。 しかし、根本的な改善には「ほぐす」だけでは足りません。
東洋医学の考え方では、 肩こりや腰痛は “気・血・水の滞り” が原因。 つまり、流れが悪くなった部分に疲労や痛みが溜まっているのです。
この記事では、東洋医学のツボ刺激と、 現代的なストレッチを組み合わせた 「10のセルフケア法」 を紹介します。
家でも職場でもできる方法ばかりなので、 “毎日3分”の習慣で体を軽くしていきましょう。
1. 肩こり・腰痛の原因を東洋医学でひも解く
東洋医学では、体を流れるエネルギー=「気(き)」、 血液の流れ=「血(けつ)」、体の水分=「水(すい)」が、 バランスよく巡ることで健康が保たれると考えます。
肩や腰が痛むのは、次のような滞りのサイン。
| 滞りのタイプ | 主な症状 | 原因となる生活習慣 |
|---|---|---|
| 気滞(きたい) | 肩・背中の重だるさ、イライラ | ストレス、呼吸が浅い |
| 血瘀(けつお) | 筋肉のこり、刺すような痛み | 長時間同じ姿勢、冷え |
| 水滞(すいたい) | むくみ、重だるさ | 運動不足、湿気、代謝低下 |
つまり、「流れをつくる」ことが何より大切。 ツボ刺激とストレッチの両方で巡りを整えるのが、 東洋×現代のベストバランスです。
2. ツボとストレッチの基本ルール
実践の前に、基本のポイントを押さえましょう。
ツボ刺激のコツ
- 息を吐きながら、ゆっくり3〜5秒かけて押す
- 痛気持ちいい強さでOK(強すぎはNG)
- 1つのツボにつき3セットほど
ストレッチのコツ
- 反動をつけず、呼吸を止めない
- 「伸びて気持ちいい」と感じる範囲で
- 1日1〜2回、1動作10〜20秒
3. 肩こりに効くツボとストレッチ5選
デスクワークやスマホ操作で凝り固まった肩。 ツボで“流れ”を整え、ストレッチで“動き”を取り戻しましょう。
① 肩井(けんせい)× 肩回しストレッチ
ツボの位置:首と肩の中間、押すとズーンと響く場所。 効果:血行促進、肩こり・頭痛・眼精疲労に。
ストレッチ: 肩に手を置き、肘で円を描くようにゆっくり10回。 呼吸に合わせて行うとより効果的。
ポイント:
呼吸を止めずに、吸って上げて吐いて下ろす。 酸素と気の流れが同時に整います。
② 天柱(てんちゅう)× 首ほぐし
ツボの位置:後頭部のくぼみ、首の太い筋の外側。 効果:首こり、頭痛、寝違え、ストレス緩和。
ストレッチ: 両手で頭を支えながら、軽くうなずくように顎を引く。 首の後ろが気持ちよく伸びたら10秒キープ。
ポイント:
目を閉じて深呼吸すると、副交感神経がONに。
③ 曲池(きょくち)× 胸ひらきストレッチ
ツボの位置:肘を曲げた時の外側のしわの端。 効果:肩のだるさ、腕の疲労、デスクワーク疲れ。
ストレッチ: 両手を後ろで組み、胸を開きながら肩甲骨を寄せる。 10秒キープ×2セット。
ポイント:
スマホ姿勢(巻き肩)の改善にも◎。
④ 合谷(ごうこく)× 手首ストレッチ
ツボの位置:親指と人差し指の骨が交わるくぼみ。 効果:全身のこり、肩・首の緊張、目の疲れ。
ストレッチ: 手の甲を反対の手で押さえ、手首を軽く反らす。 10秒キープ×左右交互に。
ポイント:
PC作業やスマホ時間が長い人におすすめ。
⑤ 肩外兪(けんがいゆ)× 壁ストレッチ
ツボの位置:肩甲骨の外側・背骨から指3本分外。 効果:肩甲骨まわりの血流促進、姿勢改善。
ストレッチ: 壁に手をつき、体を少し前に倒して胸を開く。 肩甲骨の内側が伸びている感覚を意識して10秒。
ポイント:
「背中の呼吸」を感じながら行うとリラックス効果が倍増。
4. 腰痛に効くツボとストレッチ5選
腰のだるさ・痛みは「腎(じん)」や「膀胱(ぼうこう)」の経絡の滞りと関係します。 冷えや運動不足を解消し、体の芯から温めていきましょう。
⑥ 腎兪(じんゆ)× 骨盤前傾ストレッチ
ツボの位置:腰骨の高さ、背骨から指2本分外側。 効果:冷え性、腰痛、疲労回復。
ストレッチ: 椅子に座り、骨盤を前後にゆっくり揺らす。 腰の筋肉がほぐれるまで10回ほど。
ポイント:
骨盤を「立てる感覚」が腰痛予防のカギ。
⑦ 委中(いちゅう)× 前屈ストレッチ
ツボの位置:膝裏の真ん中。 効果:腰痛、坐骨神経痛、脚のだるさ。
ストレッチ: 立って軽く前屈し、太もも裏(ハムストリング)を伸ばす。 10〜15秒キープ。
ポイント:
背中を丸めず、股関節から曲げる意識で。
⑧ 大腸兪(だいちょうゆ)× 体ねじりストレッチ
ツボの位置:腰のくびれ部分・背骨から指2本分外側。 効果:腰のハリ、便秘、骨盤の歪み。
ストレッチ: 椅子に座り、上体をゆっくり左右にねじる。 各10秒キープ。
ポイント:
「背骨がしなる」感覚で、腰回りを緩めましょう。
⑨ 足三里(あしさんり)× ふくらはぎストレッチ
ツボの位置:膝下の外側、指4本分下。 効果:全身疲労、胃腸の不調、脚のむくみ。
ストレッチ: 壁に手をつき、片足を後ろに引いてふくらはぎを伸ばす。 10秒キープ×左右。
ポイント:
下半身の循環が良くなると、腰の負担も軽減します。
⑩ 三陰交(さんいんこう)× 骨盤ゆらぎストレッチ
ツボの位置:内くるぶしから指4本分上。 効果:下半身の冷え、骨盤の歪み、女性の不調。
ストレッチ: 仰向けで膝を立て、両膝を左右にゆらゆら。 10〜20回ほど。
ポイント:
腰を動かすのではなく、骨盤の“根本”を揺らす意識で。
5. 1日の流れで取り入れる「セルフ巡り習慣」
● 朝:起き抜けに「腎兪」と「肩井」を押す
→ 巡りスイッチON。血流と代謝を整えます。
● 昼:デスクワークの合間に「肩回しストレッチ」
→ 猫背を防ぎ、集中力が持続。
● 夜:入浴後に「足三里」と「三陰交」を押す
→ 冷えを取り、疲労物質を流します。
これだけで、“1日の流れ”が整っていきます。
6. 鍼灸的アドバイス:痛みの「場所」ではなく「流れ」を見る
肩や腰に痛みが出ていても、 実際の滞りは「離れた場所」にあることが多いのが東洋医学の特徴です。
たとえば——
- 肩こりの根本は「胃腸の疲れ」
- 腰痛の原因が「足の冷え」
というケースも珍しくありません。
「痛い場所を押す」のではなく、 “全体の流れを整える”意識を持つと、 長年のコリや疲れが軽くなっていきます。
7. まとめ
肩こり・腰痛の改善には、 ツボ刺激とストレッチを組み合わせた「流すケア」が効果的です。
- 鍼灸的に:気・血・水の滞りを整える
- 物理的に:筋肉と関節を動かし、血流を促す
ツボで巡りを開き、ストレッチで巡りを流す。 この2ステップを習慣にすることで、 肩も腰も、驚くほど軽やかに変わっていきます。
終わりに
私たちの体は、毎日少しずつ硬くなります。 でも同じように、毎日少しずつ“整える力”も持っています。
大切なのは「その日の疲れをその日のうちに流すこと」。 肩こりも腰痛も、“滞り”を流せば自然と軽くなります。
今日の3分ケアが、 明日の軽やかな体をつくる第一歩です。
